こんにちは、web制作ナビです!
新規事業の立ち上げや、webサイト制作などに必要とされるのがマーケティング・webマーケティングになります。マーケティングと言っても様々な手法やフレームワークがあります。
今回は外部環境分析のフレームワークである「PEST分析」について徹底解説していきます。
この記事では、PEST分析の目的、やり方、注意点、事例、併用できるフレームワークについて徹底解説いたします。
- PEST分析について知りたい方。
- PEST分析の作り方を知りたい方。
- マーケティングについて知りたい方。
webマーケティングについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
Webマーケティングとは?基礎知識から集客方法など初心者にも分かりやすく解説!!PEST分析とは?
PEST分析とは、外部環境そのものを分析するフレームワークです。
法規則や税制などの「政治的要因(Politics)」、景気や為替などの「経済的要因(Economy)」、人口動態や生活者のライフスタイルの変化などの「社会的要因(Society)」、特許や技術開発などの「技術的要因(Technology)」の4つの項目から整理します。
政治的要因(Politics)
企業のビジネスは、その国の政治の方針に影響を受けます。
・税金にまつわる政策(増税や減税など)
・裁判制度
法改正など市場の規制を大きく変化させるものは市場競争に深く関わってくるため、自社にどのような影響があるのか把握する必要があります。
経済的要因(Economy)
景気や株価の変動など経済的要因は企業のビジネスに大きな影響を及ぼします。
・経済成長率
・株価
・為替相場
国内だけでなく海外の経済状況を長期的スパンで把握することが重要となります。
社会的要因(Society)
人口動態やライフスタイル、社会問題は企業のビジネスにおいて大きなチャンスになり得ます。
・流行
・ライフスタイル
・社会問題
最近だとコロナウィルスによりマスクの需要が高まりました。これらを予測することでビジネスチャンスを得ることができます。
技術的要因(Technology)
新しいテクノロジーや特許の取得などは企業のビジネスに大きな影響を及ぼします。
・インフラ
・特許
インターネットやスマートフォンの普及により多くのビジネスが生まれたように、これからも新しいテクノロジーにより企業のビジネスが大きな影響を受けることは間違いありません。
PEST分析の目的
過去の成功してきた事業や製品の多くは、世の中の変動や流行を味方につけてきたと考えられます。
長い目で見て外部環境の変化が企業のビジネスに、どのような影響を及ぼすのか、どうしたらチャンスを得ることができるのか、どうしたら危機回避できるのか、それらを調べるのがPEST分析の役割・目的と言えます。
このようにPEST分析によって外部環境(世の中の動向)を知ることは、ビジネスチャンスであり、リスク回避もできるのです。
PEST分析のやりかた
PEST分析は、上記で説明したように「政治的要因(Politics)」「経済的要因(Economy)」「社会的要因(Society)」「技術的要因(Technology)」で構成されています。これらを分析することがPEST分析のやり方ですが、正しく分析できなければ適切な戦略を練ることはできません。
そこで、ここからはPEST分析の基本的なやり方をご紹介します。
目的の明確化
PEST分析を行う上で、まず目的を明確にしなければなりません。ただPEST分析を行うことはないはずです。なぜPEST分析を行うのか目的を整理しましょう。
例えば「新事業を立ち上げるにあたり世の中の動向を知りたい」「既存の製品・サービスのこれからを知りたい」など目的を明確にすることで、無数にある情報を絞ることができます。
各要素の情報収集
PEST分析における4つの要素を調べるにあたり、その情報が正しいものなのか、主観的な情報はないか精査する必要があります。不確定要素は今後のビジネスに影響を及ぼす恐れがあるからです。
そのため情報のソースはできるだけ信頼性の高いものを選びましょう。
例えば、「公的機関や業界団体が発信している情報」「専門性、権威生の高い人の発信するレポート」などが挙げられます。
機会と脅威に分類する
PEST分析における4つの要素に情報を分類したら、それらを「機会」と「脅威」に再分類します。「機会」とは、自社にチャンスとなり得るもの、「脅威」とは自社にとってリスクになるものです。
例えば、コロナウィルスは飲食店において時短営業など「脅威」になりました、しかし宅配サービスは巣ごもり需要において「機会」となりました。
このように業界全体では「脅威」と考えられていた要因が、企業においては「機会」となるのです。一般的な影響ではなく自社に焦点を当てて調査する必要があります。
PEST分析の注意点
PEST分析のやり方を上記で確認した上で、つぎに注意点も押さえていきましょう。
短期の分析には向いてない
PEST分析は中長期的かつ規模の大きい環境分析になります。その規模が大きければそれだけ数年規模で計画する必要があります。
そのため来月の事業戦略など短期的な計画には向いていません。
内部環境分析ではない
PEST分析は、企業の外部環境の変化を分析対象としたものになります。
そのため、「自社の強みや弱み」を調査し事業戦略に組み込むといった内部環境分析ではありません。
ですが、PEST分析の結果を他のフレームワークを併用して内部環境を調査することは可能です。
PEST分析の事例
次にPEST分析の具体的な事例をご紹介します。
プログラミングスクールにおけるPEST分析
プログラミングスクールを運営する企業の場合、次のようなPEST分析ができます。
政治的要因(Politics) | ・小学校の授業でプログラミグが必修となる。 ・デジタル庁の設立 |
経済的要因(Economy) | ・農業と工業の衰退により自動化が求められる ・エンジニアの需要が高まっている |
社会的要因(Society) | ・インターネットやアプリなどの娯楽需要の高まり。 ・上記に伴う開発需要の高まり |
技術的要因(Technology) | ・AIやIoTといった新テクノロジーの発展 ・新しいテクノロジーの大塔による市場の危機 |
これらの分析から、プログラミングの需要は高まっており今後も需要が停滞することは考えづらい。それに伴い高収入のエンジニアを目指す人が増えると予測できるためプログラミングスクールの需要も高まると言える。
自動車業界におけるPEST分析
自動車業界の場合、次のようなPEST分析ができます。
政治的要因(Politics) | ・2030年代にガソリン自動車の販売禁止 ・2050年のカーボンニュートラル実施 |
経済的要因(Economy) | ・自動車市場の縮小 ・新車ではなく中古車市場の拡大 |
社会的要因(Society) | ・若者の車離れが加速 ・所有ではなく「シェア」の需要が高まっている |
技術的要因(Technology) | ・自動運転技術の開発が進む ・電気自動車の販売競争の激化 |
これらの分析から、ガソリン車の市場は年々縮小していくことが予測される。また若者の車離れが加速していることから新たな交通手段の確立が求められる。
すでに電気自動車の市場が激化しているため「カーシェア」の導入や、自動運転技術向上のためエンジニアの確保が必要になってくると思われる。
PEST分析を併用できるフレームワーク
PEST分析は先述したように外部環境分析に分類できます。そもそも外部環境分析は「環境分析」の1種であり、他に内部環境分析が存在します。
そこで最後にPEST分析以外の環境分析フレームワークをご紹介します。
環境分析は「外部環境分析」「内部環境分析」に分類することができ、それぞれにワイヤーフレームが存在します。
外部環境分析で代表的なワイヤーフレームは、「PEST分析」「5フォース分析」になります。
内部環境分析の代表的なフレームワークは、「3C分析」「SWOT分析」になります。
5フォース分析
5フォース分析とは、外部環境である事業の競合環境を分析するためのフーレームワークです。
事業のプレイヤーを整理し、競合他社との敵対関係の大きさ、買い手、売り手の交渉力の大きさ、新規参入、代替品の脅威の大きさを判断します。
この5つの力を分析し、業界の収益構造や競争要因を発見します。
3C分析
3C分析とは、外部環境として「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」、内部環境として「自社(Corporation)」の3つの要素に注目し事業領域を分析するフレームワークです。
分析は、顧客、競合、自社の順に行います。マーケティングで成功するには、買い手である「顧客目線」になれるかが重要となります。したがって、まずは顧客のニーズを分析し、マーケットにひしめく競合の活動を分析し、その上で自社のマーケティング活動を分析するという順序が適切となります。
SWOT分析
SWOT分析とは、「強み(Strengths)」「弱み(Weeknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の頭文字をとった名称で、外部要因と内部要因を整理するフレームワークです。
SWOT分析では、収集する情報が膨大になるので、対象事業の目標やターゲットユーザーを定めて、自社に関係のあるものから分析します。
まとめ
PEST分析とは、自社ではコントロールできない外部環境が、今後自社にどのような影響を及ぼすのか把握・予測するためのフレームワークになります。
「政治的要因(Politics)」「経済的要因(Economy)」社会的要因(Society)」「技術的要因(Technology)」の4つの外部環境を分析対象として、主に事業戦略の一つとして使用されます。
外部環境分析フレームワークは、PEST分析の他に「5フォース分析」があります。こちらは外部と自社を比較しながら環境を分析するフレームワークです。
この2つの外部環境フレームワークを行い自社の外部環境を把握し事業の発展につなげましょう。